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チェルシー ティーボウル(1749-52年頃)
A Chelsea Teabowl C.1749-52





 チェルシー(レイズドアンカー期)のやや大ぶりなティーボウル。シダの一種の葉(scolopendrium leaves)が浮彫りにされ緑と黒で彩色されている。縁は丸く波打つ形状で、茶色で縁取りされている。この装飾の作品は、チェルシーではレイズドアンカー期(1749-50年頃)に導入され、レッドアンカー期(1752-58年頃)にも継続して作られたとされている。エナメル絵付けに関しては、小花を加えたものなどいくつかのヴァリエーションがある。なお、ウースターでも1765年頃から1770年代にかけて類似の作例がある。

 本品の裏面には、レイズドアンカー(raised anchor:浮彫りの錨)のマークがある。盛り上がった楕円の台の上に錨が浮彫りで配されたもので、この後チェルシーのマークとして継続して使用されることとなる錨マークの最初のものである。(レイズドアンカーの後、レッドアンカー(1752-58年頃)、ゴールドアンカー(1758-69年頃)と続く。)


高さ(H):5.6cm、直径(D):9.3cm
マーク: 浮彫りの錨
Marks: a raised anchor
参照文献/References:
-F. Severne Mackenna "Chelsea Porcelain The Triangle and Raised Anchor Wares" Figs.49-52 (Plates 22-23 & p.83)
-F. Severne Mackenna "Chelsea Porcelain The Red Anchor Wares" Fig.18 (Plate 9 & p.86)
-Simon Spero & John Sandon "Worcester Porcelain 1751-1790 The Zorensky Collection" Item 209
-John Sandon "The Dictionary of Worcester Porcelain Volume I 1751-1851" p.305
-V&A Museum Website:
 http://collections.vam.ac.uk/item/O335748/cup-and-saucer-chelsea-porcelain-factory/
 http://collections.vam.ac.uk/item/O335751/cup-chelsea-porcelain-factory/
 http://collections.vam.ac.uk/item/O180186/cup-chelsea-porcelain-factory/
-British Museum Website:
 https://www.britishmuseum.org/collection/object/H_1900-0914-1
 https://www.britishmuseum.org/collection/object/H_1887-0307-II-59



(2021年1月掲載)